Holding Patternsは、イングランド中部ダービーを拠点とする3人組。テクニカルなエモバンドとして名を馳せたCrash of Rhinos解散後、メンバー5人のうち3人により結成。ちなみに、この3人はさらにその前身のThe Jesus Yearsにも参加しています。仲良しですね。音楽性の変遷はマスロック→エモ/ポストロック→エモといった感じ。
Holding Patternsとしては、2019年に1stアルバム「Endless」をリリース。12曲54分とこの手のバンドにしては長めですが、前身バンドになかった疾走感と清涼感がこのバンドにはあります。
エモの文脈で語られるバンドは個人的にはこれくらい音が硬派な方が好きですね。このニュアンスは文章では伝えにくいと思うのですが、Hot Water Musicほどの暑苦しさはなくともBraidぐらいの男臭さがあると良いです。ポップパンクに寄ってしまうとエモとしてはうーんという感じ。
ジャンルや国柄、地味で爆発的な人気を博すことはないと思いますが、注目していきたいバンドです。興味があるなら、以下、軽く紹介している関連バンドのCrash of RhinosとThe Jesus Yearsもチェックしてみてください。
The Jesus Years
The Jesus Yearsはマスロック的なアプローチもあり、疾走感もありの4人組のインストバンド。マスロックの塩梅としてはGhosts and Vodkaぐらい。作品としては、1枚のEP「Are Matthew, Mark, Luke And John」(2004)のみ残して、2006年に解散。この後、メンバー4人のうち、3人がCrash of Rhinosに参加します。
Crash of Rhinos
Crash of Rhinosは、2009年に結成された5人組エモ~ポストロックバンド。1作目「Distal」(2011)はDischordのFaraquetあたりのマスロック界隈の影響も感じるテクニカルかつパンキッシュなエモという感じでしたが、2作目「Knots」(2013)はより叙情派ポストロックに寄った印象。Topshelfからのリリースと聞くと、音の系統もイメージが湧くかも。2014年に活動停止。
余談ですが、1stはポストクラシカルを代表するアーティストNils Frahmがマスタリングしてるんですね。メンバーでもあるRichard J. Birkin(ex-The Little Explorer)の2011年のソロ作「A Lullaby Hum For Tired Streets」でもミキシングを行っているので、その縁ですかね。