米ロードアイランド州プロヴィデンス出身のベース&ドラムのデュオによる4年ぶりの7thアルバム。11曲53分。アルバムのアートワークは今作もドラムのBrian Chippendaleの手によるもの。
ポストロック~インスト界隈を漁っていくと、同じデュオ編成のHella(こちらはギター&ドラム)と並んで名前を見かけるであろうLightning Bolt。どちらも「狂っている」「ドラムの手数が多い」という共通点はあるものの、その音楽性は異なります。ひたすら乾いたドラムが鳴るHellaと異なり、ギターばりのベースがギュインギュイン鳴るのがLightning Bolt。あえてノイズというカテゴライズをするなら、Lightning Boltの方がそれに近いかもしれません。
彼らの曲は万人受けはしません。最初聴いても「何だこれ」で終わってしまう人が大多数だと思います。まさに「オルタナティブ」な音楽なわけですが、個人的にはハマるかどうかは、彼らの曲にメロディーを見出すか、そのメロディーに高揚感を感じるかどうかだと思っています。
そういう意味では、最初に聴くアルバムは比較的キャッチ―なことは大事なので、「Lightning Bolt史上最高にポップ」と言われる今作は入門編として向いているのかも。まあそもそも、何を以てキャッチ―かというところですが…。ちなみに、私はHypermagic Mountain (2005)を聴いてLightning Boltにハマりました。
で、アルバムの中身ですが、イントロからDeath From Above 1979っぽさを感じさせる”Air Conditioning”、繰り返されるフレーズがクセになって聴いているうちにテンションが上がってくる”Big Banger”、比較的まともなボーカルが聴けてポップな”All Insane”、ラストを飾るのは、9分超とアルバムで最も長く、最もカオスな”Van Halen 2049″と聴きやすく?も彼ららしい曲が並んでいました。確かにこれまでの作品の中では最も大衆?ウケしそうなメロディが多いように感じましたが、どうでしょう。
個人的にはおすすめのアルバムを順位づけると、Hypermagic Mountain (2005)→Wonderful Rainbow (2003)→Ride the Skies (2001)という感じですが、本作から聴き始めるのも全然アリだと思います。